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Channel: 赤本漫画(赤本マンガ)の美の世界 【手塚治虫以外の漫画家たち】
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東京系赤本漫画コレクション152

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探偵漫画【謎の怪盗】
著者:紫藤南天
版元:三心社
昭和23年8月15日発行
定価:80円

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東京系赤本漫画コレクション153

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名作まんが【シンデレラ姫】
著者:中村ひろし
版元:泰光堂
昭和26年8月20日発行
定価:85円

この本の最後の広告の蘭にこういう謳い文句がある。
「学校・家庭より絶大な讃辞」「教育的だと激賞と絶大な讃辞」。当時の大阪系赤本漫画に対するPTAの悪書追放運動に、東京の児童漫画界が応えた漫画シリーズ。泰光堂名作漫画は、中村ひろしの漫画で占められている。

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東京系赤本漫画コレクション154

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空想漫画【原子小僧】
著者:若松国雄
版元:児童図書出版社
発行年不明(昭和25年以降)
定価:60円


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東京系赤本漫画コレクション155

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【くるみちゃん】
著者:山 たかし
版元:記載なし(発行者名・印刷者名記載有り)
昭和25年4月5日発行
定価:65円


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東京系赤本漫画コレクション156

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冒険童話漫画【唖の王子】
著者:たかのてつじ
版元:ひばり書房
昭和24年1月1日発行
定価:70円


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東京系赤本漫画コレクション157

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KINGマンガ【がらす人間】
著者:中村ヒロシ
版元:少年の友社
昭和24年3月25日発行
定価:60円

中村ヒロシというと、泰光堂の名作ものの漫画をイメージするが、こういう探偵スリラーものも描いている。表紙の雰囲気がどことなく大阪系赤本に近い。


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東京系赤本漫画コレクション158

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長篇漫画【風の子かんちゃん】
著者:高橋春雄
版元:文園社
昭和24年4月30日発行
定価:80円

表紙絵のレトロ感が実に良い。本の厚みも程よく、美しい装幀である。67年前の赤本である。

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東京系赤本漫画コレクション159

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長編海洋漫画【ピッキーと海賊島】
著者:島田まさお
版元:児童図書出版社
昭和24年5月5日発行
定価:75円


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東京系赤本漫画コレクション160

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長編活劇漫画【熱砂の幌馬車】
著者:渡辺邦坊
版元:児童図書出版社
昭和:24年1月5日発行
定価:75円

渡辺邦坊は、なかなかの実力ある漫画家である。ポケット漫画等でも見かけるが絵が上手い。同時にこの本の版元、当時台東区御徒町にあった児童図書出版社は漫画に力を入れていたことが本を見ていて伺える。さしずめ、大阪で言うなら、育英出版や不二書房や東光堂等のような大阪を代表する版元に相当すると思う。特に本の装幀が良い。本の最後の広告欄には4冊の漫画が宣伝されている。そのうち拙所有のものは、この「熱砂の幌馬車」と「ピッキーと海賊島(コレクション159)」である。あと2冊は今のところ持っていないが、是非見てみたいものである。その2冊とは「長編怪奇漫画【眞珠の首飾】(岡田 晟)」と「長編冒険漫画【暗黒アフリカの隻眼の獅子】(西津省二)」である。
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東京系赤本漫画コレクション161

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【冒険ダン吉 百萬ドルのハーモニカ】
著者:島田啓三
版元:キング音楽出版社
昭和24年2月1日発行
定価:75円

戦前漫画で御馴染、冒険ダン吉の昭和24年に出されたものである。版元が音楽出版社というのが珍しい。冒険ダン吉は通常絵物語風、つまり挿絵付きの活字で構成されているが、この戦後版は、ほぼコマ漫画で構成されている。島田啓三の実に味わい深い画風は戦後も健在である。特筆すべきは、作者自身が読者に向けて以下のメッセージを送っている。
は児童漫画を終生の仕事として、いつも皆様の心に入って仕事をしています。(中略)良い漫画ー冒険ダン吉は今後も続けて描くつもりですが必ずこの良い漫画という点だけ、はっきりとお約束できます御愛読下さい

このメッセージの赤い部分は当時、社会問題視され始めた赤本漫画への批判が含まれているような気がする。手塚治虫は、自身の自叙伝で島田啓三宅を訪れた時のことを以下のように語っている。
僕が戦後初めて東京の街を見たのは昭和22年の夏だった。(中略)僕はすでに何冊かの単行本を出し、ことに「新寶島」は東京でもよく売れていたので、威風堂々(?)と社の玄関をくぐった。が、やはり井の中の蛙であった。「もう少し絵を勉強なさってください」と慇懃に断られた。腹が立って練馬の島田啓三氏のお宅を訪ね、「新寶島」を見てもらった。「こりぁ、漫画の邪道だよ。こんな漫画が流行ったら一大事だ。描くのはあんたの自由だが、あんた一人にしてもらいたいね」

島田御大の言葉は的中した。その言葉どおり「新寶島」が流行ったことで一大事になり、戦後の日本漫画文化が大きく激変していったのだ。上に示した作者自身の当時のメッセージを思うと、この戦後版冒険ダン吉を赤本漫画に入れることは故作者の逆鱗にふれそうだ。が、昭和24年の赤本漫画全盛期に出版され、本の装幀や厚み、中身の印刷等を見ているとどうしてもカウントしたくなるのである。私自身の赤本漫画への美学に免じて故作者には許していただきたいと思う。仮に、島田御大が今生きていたら、今の少年漫画を見てどういう言葉を発したであろうか?、興味深いものである。

参考文献:手塚治虫「ぼくはマンガ家」


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東京系赤本漫画コレクション162

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長編活劇漫画【若様一番手柄】
著者:野澤和夫
版元:石渡正文堂
昭和24年3月15日発行
定価:90円


表紙は、東京系らしい名作っぽさが滲み出ている。中身は、赤いインクの網掛けが基調となった典型的な赤本漫画の印刷がなされている。

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東京系赤本漫画コレクション163

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まんが【弾丸ジープ】
著者:宮坂えいいち
版元:ひばり書房
昭和24年5月1日発行
定価:90円


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本の中身を調べていたら、偶然このような当時の栞(しおり)を発見した。こういった小さな珍品に偶然出くわすというのは非常に嬉しいものである。

東京系赤本漫画コレクション164

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【ダック少年の悪龍退治】
著者:中野正治
版元:金の星社
昭和23年3月20日発行
定価:50円


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東京系赤本漫画コレクション165

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【びっくりとん兵衛】
著者:石橋章夫(夢野凡天)
版元:日昭館書店
昭和24年3月5日発行
補足:本作見返しページに「製作者:石橋章夫、装幀:夢野凡天」とあるが、同一人物である。

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東京系赤本漫画コレクション166

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西部活劇漫画【拳銃少年】
著者:並木きよし
版元:白菊書房
昭和24年10月25日発行
定価:70円
補足:奥付記載の白菊書房の発行者の淡路谷力蔵氏は、拙所有コレクション1の「王冠島の冒険(星一平作)を出した奥付によると、大阪精版の発行者である。この「拳銃少年」の白菊書房は東京都新宿区の版元であり印刷者は高文社印刷所になっている。おそらく白菊書房は、大阪精版という大阪系の版元が赤本ブーム全盛期に東京に進出したのではないかと推測できる。


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東京系赤本漫画コレクション167

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長編漫画叢書【太洋の龍巻】
著者:新本たけし
版元:洛陽書房
昭和23年12月20日発行
補足:新本たけしは、詳細は不明だが、大阪系赤本漫画家である。この作品は新本氏が東京の版元から出した赤本である。画風は手塚調で描き版ではあるが、その絵の景色は美しい。


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東京系赤本漫画コレクション168

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長篇漫画【海賊島物語】
著者:間木 保
版元:網島書店
昭和23年9月10日発行
定価:50円

手塚治虫の新宝島もどきの赤本である。描き版の稚拙な絵ではあるが、新宝島を彷彿とさせる一品である。

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東京系赤本漫画コレクション169

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【怪人鉄の腕】
著者:川原久仁於
版元:昭星社
昭和23年10月5日発行
定価:60円

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東京系赤本漫画コレクション170

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【旋風魔王】
著者:木村一郎
版元:國華堂
昭和24年4月15日発行
定価:60円

御覧のとおり、かなり読み尽された形跡のある赤本である。表紙の絵もかっこよく、カラーの口絵(画像参照)を見ると当時の子供たちがけっこう夢中になったのが伝わってくるようなボロボロの状態である。今から67年前の赤本であるが、ストーリーが斬新である。平和利用のウラニウムの発掘を終え日本に帰ろうとする飛行チョッキ(当時らしいユニークな言い方である)を着た少年が、ウラニウムを盗み出し悪用しようとする窃盗団と戦いウラニウムを守るというストーリーである。昭和24年というと、まだ鉄腕アトムが登場する以前のことであり、もちろんパーマンや宇宙エースなんかの漫画などが登場するのはかなり先の話であるが、この少年の絵を見ていると、そういった少年ヒーローものの先駆けを木村一郎という漫画家が昭和24年にすでに描いていたことを伺い知ることができる。もしかすると、この作品を手塚治虫なんかが読んで、後の自作品のヒントにしていたかもしれない。


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東京系赤本漫画コレクション171

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コドモマンガ叢書【地底機関車】
著者:北田卓史(キタダ タカシ)
版元:川津書店
昭和23年4月20日発行
定価:不明
64頁

拙所有のこの本。61ページ以降が欠損しており、どうやら裏表紙が暁書房という名の版元の別の漫画の裏表紙が貼り付けられ補修されている。当時は教育上悪書の汚名を受けていたゆえ、全くひどい扱われ方をされたものであると言わねばならない。なぜなら表紙絵が素晴らしいからである。おそらくは、手塚治虫の「地底国の怪人(昭和23年2月20日大阪不二書房発行)の影響を受けたものであろう。中身の絵の内容は表紙の素晴らしさを裏切るような大変稚拙で密度の薄い漫画である。
ですので、裏表紙の画像は全くの別の作品の表紙であることをお知りおき下さい。
上のデーターは、プランゲ文庫で調べたものである。裏表紙の赤本は、データーによると「摩天楼の鬼(広瀬三平著、暁書房、昭和24年1月10日発行)という作品であることが判明した。


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